大君~愛を描く
(2018年韓国放送、全20話)『王女の男』キム・ジョンミンと『イニョプの道』チョ・ヒョンギョンが手掛けるロマンス時代劇
あらすじ
ジャヒョン(チン・セヨン)は北方に行った婚約者のイ・フィ(ユン・シユン)の死の知らせを聞いても頑なに生きていると信じ、ガン(チュ・サンウク)が無理矢理進める結婚ばなしも髪を切り落として抵抗していた。そんなある日、前々から床に臥せっていた王が危篤状態に。王の座を狙うガンだったが、王の最後の言葉を受け取ったのは北方から帰ったばかりのフィだった。
感想
ヒロインと王子らの三角関係という意味では「七日の王妃」とテーマが被ってしまっていますが、
「七日の王妃」はロマンチックで、孤独や弟に対する愛と猜疑心に揺れ動く王様の心情が切なくて、ホロリとさせられました。
一方、「大君」は王位とジャヒョンを我がものにしようと画策する兄皇イ・ガンが何度となく弟皇をハメ、ヒロインらを引き裂こうとします。
ガンの妻もまた野心家。嫉妬心を剥き出しにし、
その度に苦渋の選択をせまられ、
運命に試されるようなヒロインらの絆が印象的でした。
そして女真族シルゲやフィの部下ギドゥクそれぞれの密かな思いが物語を盛り上げていました。
今作のイ・ガンとフィ兄弟は、首陽大君(のち李氏朝鮮の第7代国王ー世祖) と安平大君がモチーフ。
この時代を扱ったドラマに「王と妃」があります。
おさらいの意味で時代背景を調べてみると、
首陽大君(のち李氏朝鮮の第7代国王ー世祖) と安平大君は4代王世宗の二男と三男。
第5代王は世宗の長男文宗が継ぐのですが、
病弱で早くして亡くなったため、文宗の長男端宗(11歳)が第6代王即位。
すると首陽大君が王位を狙う動きを見せ始めるとあります。
「朝鮮国王宿命の系譜」によると武芸を好む首陽大君と学問を好み大人しい安平大君。
性格の異なる兄弟が対立関係にあったとありました。
史実はここまでですが、
どうやらその不仲も一人の女性が原因ではなかったかと仮説が立てられているようで、
そこから発展させたドラマのようです。
度重なるワナにハラハラさせられました。
そして「チャングムの誓い」のハン尚宮でおなじみのヤン・ミギョン演じるフィとガンの母、大王大妃。
王宮において実の子らに対する心情とは実際どんなものだったのかなと想像は尽きることがありませんでした。
演出『王女の男』『朝鮮ガンマン』のキム・ジョンミン
脚本『イニョプの道』のチョ・ヒョンギョン
主なキャスト
チン・セヨン「オクニョ」
ユン・シユン「魔女宝鑑」
チュ・サンウク「ファンタスティック」
ソン・ジヒョン「最強配達人」